野口整体 金井蒼天(省蒼)の潜在意識教育と思想

金井省蒼(蒼天)の遺稿から説く「野口整体とは」

2020-01-01から1ヶ月間の記事一覧

第二章 江戸時代の「気」の医学と野口整体の自然健康保持 ― 不易流行としての養生「整体を保つ」二3

病気と気、感情と気― 養生する上で必須な気の感覚 立川昭二氏は、日本人の「気」について次のように述べています(『からだことば 日本語から読み解く身体』早川書房)。 「景色」と「色気」 「気」には、東洋医学でいう「気功」などの「気」もありますが、…

第二章 江戸時代の「気」の医学と野口整体の自然健康保持 ― 不易流行としての養生「整体を保つ」二2⑤

気の思想を基にした「気の医学」と野口整体― 日本の伝統的な生命観・身心観 ⑤整体指導における「気」 野口整体の生命観は、このような「気の医学」の伝統を受け継ぐもので、師野口晴哉は、整体指導で「気」を扱うことについて次のように述べています(『整体…

第二章 江戸時代の「気」の医学と野口整体の自然健康保持 ― 不易流行としての養生「整体を保つ」二2④

気の思想を基にした「気の医学」と野口整体― 日本の伝統的な生命観・身心観 ④呼吸と導引 立川氏は、益軒は人の「生気」である呼吸法を養生における最重要項目に挙げている、と次のように述べています(『養生訓に学ぶ』第二部『養生訓』の方法 2 呼吸と導引…

第二章 江戸時代の「気」の医学と野口整体の自然健康保持 ― 不易流行としての養生「整体を保つ」二2③

気の思想を基にした「気の医学」と野口整体― 日本の伝統的な生命観・身心観 前回からの続きで、「気」の話から入ります。 第一章 三7①では、 日本では心理的な意味で「気」という言葉を頻繁に使い、気を通して心を感受する伝統がありました。 師野口晴哉は…

第二章 江戸時代の「気」の医学と野口整体の自然健康保持 ― 不易流行としての養生「整体を保つ」二2②

気の思想を基にした「気の医学」と野口整体― 日本の伝統的な生命観・身心観 ここで、古代中国の気の思想に基づく元気について、解説をします。 生まれた時に両親から受け継いだ気を先天の気、自分で集め、生成していく気を後天の気と言います。 元気は、先天…

第二章 江戸時代の「気」の医学と野口整体の自然健康保持 ― 不易流行としての養生「整体を保つ」二2①

気の思想を基にした「気の医学」と野口整体― 日本の伝統的な生命観・身心観 野口整体をよく理解する立川昭二氏の著書を通じ、日本の伝統的な健康論の本流「養生論」を代表する貝原益軒の『養生訓』を取り上げ、江戸時代までの(日本の伝統的)生命観・身心観…

第二章 江戸時代の「気」の医学と野口整体の自然健康保持 ― 不易流行としての養生「整体を保つ」二1

今日から、第二章 二 江戸時代の気の医学『養生訓』―「気」を本とした日本古来の健康観 に入ります。 立川先生の江戸時代の気の医学の内容はこれまでも取り上げてきましたが、中巻では多くの頁を割かれていますので、そのまま載せていきます。 「かくれたも…

(補)全生と老荘思想

全生保身(生を全うし身を保つ)の思想 立川昭二氏の著書を読み始めた頃、「全生とは何か」という話の中で、金井先生から「全生保身(ぜんせいほしん)」(生を全うし身(み)を保つ)という言葉が出てきました。金井先生の「全生保身」は、おそらく野口先生の講…

第二章 江戸時代の「気」の医学と野口整体の自然健康保持 ― 不易流行としての養生「整体を保つ」一 7 

整体とは良い空想ができる身心―「整体を保つ」ことは良き未来を創造する思想と実践である 師野口晴哉が説く養生、その「心のあり方」について紹介します(『風声明語2』全生社)。 Ⅰ 問題は、体ではなく心である。 人を責め、追及し、他人の過ちのために自…

第二章 江戸時代の「気」の医学と野口整体の自然健康保持 ― 不易流行としての養生「整体を保つ」一6

心身医学・ホリスティック医学と「養生の道」― 日本の思想『「気」の身心一元論』 ホリスティック医学(全人医療)とは、体だけでなく、心・精神・環境までひっくるめ人間を捉える医療であり、それを基本姿勢とする医学です。 本来全体として、関連性のなか…

第二章 江戸時代の「気」の医学と野口整体の自然健康保持 ― 不易流行としての養生「整体を保つ」一 5 

病症を、「生活している人間」を通じて考える― 心と体を一つに観る眼が求められている 湯浅泰雄氏は、「病気をしている人間」を無視する科学的西洋医学について、次のように述べています(『ユング心理学と現代の危機』)。 医療における人間性 …医科学の立…

第二章 江戸時代の「気」の医学と野口整体の自然健康保持― 不易流行としての養生「整体を保つ」一 4

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。 早速ですが、続きに入ります。 自身の内にある病因が見失われた現代― 二元論から一元論の医学へ 現代の日本社会で主流となっている科学である西洋医学の医療では、「病症」は肉体(物質)…