左右型3種・4種①―体癖論Ⅱ 12
左右型3種・4種①
今回は左右型です。左右型3種・4種は違いが大きく見えるのですが、3種の中に4種傾向がある人もあり、その逆の場合もあります。
左右型は感情の動きが体運動の中心にあります。感情はどの体癖にもありますが、そのはたらき方に特徴があるのです。
左右型3種・4種に共通した特徴
「消化器」(胃や肝臓)のはたらき方に特徴があり、体運動の中心は腰椎二番にあります。消化器のはたらきは体の「左右」運動と関係があり、消化器がはたらくとき「腰椎二番」が左右に動くのです。例えばお腹がすくと自然に右肩が上がってきます。
左右型は必ず重心側(左右のどちらか)の足が太くて、太い側は運動も不自由で、足首を回転しても重心側の足首の回転が悪いという特色があります。また足の第二指が他の指より長く目立ちます。
肩が凝りやすいという人は左右型的な素質が濃く、疲れると、鳩尾の左(太陽神経叢)が硬くなり、肩(下頸)が凝ったと感じやすいのです。(三種はいろいろ考えて頭を使うと、偏り疲労として首や肩が凝る)。
左右体癖の人は感情が興奮しやすく、何かでハッとするとすぐ水落が緊張し、不安になってイライラが始まります。自律神経の過敏反応がその特徴で、三種は交感神経反応(感情の起こり→胃の拡張→食べる)、四種は副交感神経反応(感情の起こり→胃の収縮→食べられない)が強いという違いがあります。腹が立つ(怒る)となぜか眠くなるのも特徴です。
左右型は健康法というと「何を食べたらよいか」を考え、体調を崩すと「あの時食べたあれが悪かったのでは」と食べ物のせいにするのが特徴です。また横向きで寝る習慣があります(左右型は仰向けになると重心側は少し浮いていて、左右型が濃い人が仰向けに寝ることは少ない)。
風邪の経過は非常にスムースで、始まる時はまず左右どちらかの鼻から始まります。そして背中に寒気が来て、右側か左側の鼻水が出るようになり、それが濃くなった後、腸の変動が来て終わります。
左右偏りが強くなってくると風邪を引き、上手に経過すると左右偏りが是正されるのです。
左右型の感受性の中心は「感情」であり、快不快、好き嫌いといった感情の働きに敏感で、ものごとの判断基準となっています。同時に「自己保存的本能型」で、利害得失が分からず好き嫌いで動いているようでも、自分の生活の安全を守るための勘定や打算はいつの間にかできているものです。ただし、自分で責任を負うことはできず、責任を取るべき時に、避けようとするのです(「自己保存型」で自分の責任を認めるという態度・行動が困難)。
左右型体癖の人は主観的で、周りのことを考えず、自分の好きな方、楽しい方に向いて行動してしまうので、自分勝手だと言われることがあります。
しかし本人にとっては勝手をしているのではなく、これは他人のことを考えられない、つまり客観的になるという面が欠けていることによるのです。
野口晴哉先生は次のように述べています。
上下型の子供だったら人の言うことが判るのです。自分の欲しい物は人も欲しいのだろうと思うのです。ところが左右型の子供は、他人はいないのです。
自分の欲しいものは自分の欲しいものであって、他人のことなど考えられない。だから全部の行動が主観的になる。こんな所で泣いたら笑われるなどと考えないでワーッと泣いてしまうのです。
そのくせそういう時でない時には非常に他人を意識して、他人のことなら皆、知っている。しかし何かで感情が激したりすると他人の存在など忘れてしまうというのがその特色なのです。
また、話をするときも相手の言葉を理解するより、胸で「感情の波長(周波数)」を感受し感情で応えます。また、自分の空想の中に住んでいて、ありもしないことを空想しては、それで感情が呼び起こされて泣いたり怒ったりすることがあります。
左右型は、イライラしたり、気が散ったりという習性があるために飽きっぽく、一つのことをやりぬくことができない傾向があります。
感受性の傾向として「イライラしやすい、気が散りやすい、怒りっぽい、すぐふくれる、内向しやすい」という特徴があり、体の左右バランス調整が必要となるのです。