(補)三種の母と四種の娘ー「違い」を理解する難しさと体癖
「違い」を理解する難しさと体癖
左右型の感受性の中心は「感情」であり、生理的には消化器のはたらきに特徴があります。
感情は、体癖を問わずすべての人にあるものですが、左右型は、快不快、好き嫌いといった感情のはたらきに敏感で、ものごとの判断基準ともなっているのです。
四種体癖を持つ女性で、三種である母親に、幼い時から自分の気持ちを理解してもらえない、という感情(不満)を裡に凝固させてきたため、思春期から四十を過ぎる今まで、情緒不安定に悩み、個人指導を受けるようになった人がいます。
その女性は子どもの頃、三ヶ月に一度ほど「爆発」と両親が呼ぶ癇癪を起こしていました。しかし原因は「あの時お母さんにこう言われたのが嫌だった」などの小さな「不快感」の積み重ねなので、両親には「その時に言ってくれなくちゃ困る」と、心をきちんと受け取っては貰えませんでした。
三種の子どもであれば、感情を爆発させることで、「鬱散要求」を充たすことができるのですが、偶数種である四種の癇癪は「集注要求」の現れであるため、その時、母親に「自分の気持ちに共感してもらった」と、感ずることが必要なのです。
一方、三種の母は、不安、恐怖といった感情を、思い出すままに子どもにぶつけて発散することがありました。三種はそれですっきりするのですが、四種の娘は母の恐怖や不安の感情を体に溜めていました。ことに四種は、他者の不快情動に無意識に同調してしまい、かつ排泄することが苦手なのです。
また、三種の母親は料理好きで、たくさんの料理を並べ、食べさせるのが快感なのですが、四種は雰囲気が悪かったり、嫌なことがあるとすぐに食欲を無くしてしまいます。母と娘が通じ合えなかったのは、三種の母が「食べてくれない子」を苦手と感じたことも一因となっていたようです。
「親子であっても分かり合えない」という中に、このような「体癖」の問題が深く関わっていることがあるのです。