野口整体 金井蒼天(省蒼)の潜在意識教育と思想

金井省蒼(蒼天)の遺稿から説く「野口整体とは」

第二部 第四章 二 「自分を知る智」が啓く真の主体性― 自己認識の歩み 2007年~1①

 今日から第四章二に入ります。ここから、真田さんの自分を理解するとは?感情の滞りとは?こうした健康に生きることと心の問題の関係についての学びが本格的に始まります。

1① 熱海での整体(個人)指導の開始

 職場でのストレス状況が深刻化する中、真田さんは2006年12月に初めて金井先生の個人指導を受けることになった。

 真田さんがこれを決めたのは「身体感覚を養成し、生命力の発揚を通して人として十全に生きたい」という思いだった。真田さんは理性的・論理的な人であったが、そういう自分に留まることなく「生命を持った人間として、活き活きとダイナミック(動的)に生きることを目指したい」という願いがあったのだ。しかし、「この状況から何とか抜け出したい」という藁にもすがる思いが本音であったとも言う。

 初めての個人指導で、真田さんは「大きな癒し、神の手に触れられたような癒し」を感じ、「心の揺らぎが治まり、凪(なぎ)を実感」したと言う。

 それは言葉で表現しつくせないほどの大きな体験であり、帰宅後、久しぶりに熟睡できた。

 年が明け、2007年初めに再び金井先生の個人指導を受けた。この指導で金井先生は真田さんに「あなたは本来武士のような人間であるはず」と言い、真田さんはかなり驚いた。そして先生は「スポーツで言えば野球やアメリカンフットボールではなく、ラグビータイプの突進型」と言った。

 真田さんは若い時、確かにラグビーが大好きで得意でもあり、野球はバッティングの順番を待つ時間がうっとうしく、面白くないと思っていたことを思い出した。

 なぜ先生はそのようなことが分かるのだろう、と不思議だったが、先生は「あなたは、そういう〔身体〕ですよ」と言った。

 その答えの意味はよく分からなかったけれど、そう言われると自分の中から元気が湧いてくる。それが自分なら、とにかく突進してみよう、と思い始めた。

 高校時代、ラグビーをやっていた時、真田さんはタックルをかわすのではなく、振り切って突っ走り、トライするのが一番快感だった。そして、当時、ラグビーやサッカーをやる時は「素」の自分を出すことができたが、普段は角が立たないよう、目立たないようにするのが安全だと思っていたのだと思った。

(金井)

 真田さんは、合理的な能力を有する五種がありますが、「負けまい」とする八種もあります。全体を感得する(「気」で観る)と「突進型」なのです。