野口整体 金井蒼天(省蒼)の潜在意識教育と思想

金井省蒼(蒼天)の遺稿から説く「野口整体とは」

捻れ型7種・8種②―体癖論Ⅱ 17

 捻れ型7種・8種 それぞれの特徴

 捻れるというのは、本来の体癖素質としてある場合と、成育途上での問題で発達の滞りがあり捻る習性がある場合があります。また、腰椎3番は誰にとっても中心となるところで、腰椎3番が弱い=捻れ型体癖、と教科書的に判断することはできません。

 でも、捻れ型の感受性は独特で、捻れ型の人は違う体癖の人にも捻れ的何くそ精神や、負けん気を喚び起します。

 では、今回は7種・8種それぞれの特徴です。

 

捻れ型7種

 体が直線的で引き締まっていることが多い。泌尿器の働きが盛んで、排尿で緊張が弛む。

 独創的・主観的で、「誰にでも勝って、一番になろう」とし、出勤などでも「一番乗り」をするのが好き。

「勝気」で、自己主張の強さが独創性を生み出す。「一番でなければ、ビリと同じだ」と思っている。負けは「無かったこと」=ノーカウントにして、前に前に突き進もうとする猪突猛進型。負けが見えると一気にやる気をなくし、次に挑むことを考える(7種体癖が強そうな故・星野監督は、負け試合になると「もう帰りたい」と言う癖があり、粘り強い助監督に「試合、投げてるんですか!」と叱られたという)。

 困難に真正面から向かい、克服しようとする。向上心が旺盛で、努力して叩き上げ、成功することを目指す頑張り屋。苦しい道を選び、切り開いていこうとする。

 克己精励で勤勉だが、すぐ怒り喧嘩腰になる。喧嘩を売られたと思うと、「やめた方がいい」と意識で思っても買ってしまう。たとえば自動車が後ろから追い抜いて行ったとすると、途端にサッと追い越そうとする。頭では「そんなことをしてもつまらない」と分かっていても、足が言う事を聞かず、サッとアクセルを踏んでしまう。

 強引で押しが強い。相手を説得する時、理詰めより「勢い」が通った時に快感がある。捻れ型はともにそう言えるが、7種は特に謙虚であることが難しく、謙虚にしている人は自信がないように見える。しかし、7種は勝負に「勝った」直後はエネルギーの鬱散がついて捻れが治まるので、謙虚になることができる。8種は執念深く負けまいとするので、却って謙虚になる時がない。

 7種・8種ともに強いものには弱く、弱いものには強く出る。

 信賞必罰(ほめる・叱る、よし!とダメのメリハリがはっきりしている)の指導を受けると、愛情を感じる。大げさで、断定的な表現を好む。2種と7種が複合すると、吃音になる傾向がある。7種が汗をかかなくなる時、大きな変動が起こる前兆ということがあるので、気を付ける方が良い。

 

捻れ型8種

「恐怖」という感情に過敏で、恐怖を感じると負けまいとする。負けたと思うと「悔しい」という強い情動的ショックが起こる。しかし、我慢してしまうので、自分では感情の内容がよく分からない。感情が痞えると泌尿器の働きが低下し、むくむ。体が弛むと排尿する。

 8種は種痘の跡が大きく残っている。3種もその傾向がある。

 感情が停滞していたり内向していたりすると、「言葉」が出にくい(口が重い、発話が苦手)。次第に言葉の聴き取り(耳の働き)がしにくくなったり、大きな音・声に過敏になったりする(耳の機能と発話の問題)。汗がよく出るようになると、言葉も出やすくなる。

 8種の「負けまい」には、その対立を向ける相手がいるのだが、あまり自分ではそれを意識できない。強情で負けまいと独り相撲をしている。

 その無意識の反発が、他人にはけんかを売っているように見えるのだが、8種は自分のことがよく分からない傾向が強い。

 湿気に弱く、汗が内攻しやすく、排尿など水の流れが停滞する。

 8種には、無意識に「負けまい」が根底にあるが、自分の「負けまい」を意識してはいない。だから、物事が上手く行かず、「負けまい」が叶わないことが重なると、負けないためには、人と口を利かない、あるいは外に出て行かない。つまり「戦わなければ負けることも無い」という行動に出る。ほとんど無意識的にこうなってしまう。

 身体感覚を高めることが何よりも大切で、水を飲むー汗をかくー排尿するという水まわりを整える必要がある。