野口整体 金井蒼天(省蒼)の潜在意識教育と思想

金井省蒼(蒼天)の遺稿から説く「野口整体とは」

捻れ型7種・8種①―体癖論Ⅱ 16

 今回はいよいよ捻れ型です。五つの体癖の中でも、捻れ型という言葉はからだ言葉的なニュアンスが強いように思います。名は体を表す、と言うか、イメージしやすいですね。

 では、捻れ型の内容に入ります。

今回はいよいよ捻れ型です。五つの体癖の中でも、捻れ型という言葉はからだ言葉的なニュアンスが強いように思います。名は体を表す、と言うか、イメージしやすいですね。

 では、捻れ型の内容に入ります。

 

捻れ型7種・8種 共通の特徴 

 体運動の中心は腰椎3番にあり、泌尿器が敏感で、感情の動揺や精神的緊張が、泌尿器系の変動として表れる。緊張時、7種は頻尿になるが、泌尿器が弱い8種は、排尿がしにくくなる(回数が多くても量が少ない)。

「闘争か逃走か」という自己防衛的な闘争型で、下肢(腰から下)で行動する「下肢行動型」で、行動してから考える、というより体が先でないと頭が働かないのです。頭の中に物事を飲み込むことが遅く、飲み込んだつもりになると信じ込んでなかなか動かず、断固と言い切って臆すことがありません。これは頭と行動の方向転換が難しいということで、腰が硬張るとこういう傾向が増します。

 前後型は利害得失に即して行動するため方向転換が早く、上肢を動かして行動する「上肢行動型」で、防衛より攻撃に巧みで戦略的であるのと対照的ですが、ともに生きる上で「行動」が要求を実現していく中心となる「行動型」です(前後型は手足が長く胴が短いが、これに比べ胴長の傾向にある)。

 体を捻るのは、弱い処を強くしようとする習性で、どんな時でも体を捻って強くあろうと頑張ります。力み体癖、気張り体癖と言えるでしょう。

 印鑑を押したり、署名をしたりする時につい体を捻ってしまう癖があって、衝動的に行動し、やりすぎてしまうことがあります。身体的に振り向くことが苦手なため、バック運転が苦手です。

 身体的には骨が太く、関節が大きい傾向があり、頻尿か排尿不調のどちらかになり、汗っかきで胴が太いのが特徴です。また、左右どちらか片方の足が偏平足で、その側の第一中足(ちゅうそっ)骨(こつ)(足の親指と踵の骨をつなぐ骨)に力が入らないので、履物の底を見ると、力が入らない側の外側が減っています。捻れ型感受性が強い人はえらが張った四角い顔であることが多く、厚みがあり胴が太く、腰が発達していて逞しい体つきです。

 風邪を引くと最初に喉が痛くなる、帯状疱疹になったことがある・・・という人は、捻れ型があるとみてよいでしょう。

 腰に疲れを感じやすく、朝起きると腰が痛かったり、体側(側腹)が張ったり硬張ったりという状態になります。

 頑張るのが得意で、心理的にも身体的にも「弱さ」を認めるのと負けたような気になるので、身体感覚が鈍くなる傾向があります。

 風邪の経過は、右か左のどちらかの喉から始まって、終わりかけたころ反対側をやるので、抜けるのに長くかかることが多いでしょう。秋は夏よりも汗をかきにくくなるため、秋に体調が悪くなりやすく、排尿絡みで体調を崩すことがあります。

 泌尿器が変動を起すと、体全体がだるく、重くなり、体が硬張った感じになるので、その感覚を頼りにすると、疲労に早めに気づくことができるので注意しましょう。 けがの直り、病症経過ともに長い傾向がありますが、症状と戦ったり、気張ったりという心が経過を乱すことも多いのです。

 捻れ型というと「勝ち負けにこだわる(関心が強い)」というのが感受性の特徴として挙げられます。しかし、すぐ「喧嘩する」という行動になるのは子どもの場合で、大人になって周りを気にするようになると、自分の中での葛藤という形になります。

 勝ち負けに最も関心がある故に、勝ち負けを嫌い、勝負を避ける、また逃げるようになったりするのです。また劣等感が強くなる傾向もあり、相手に勝負の心を見られると、消極的になって委縮したり、その人のいない所で、自分より弱いと見える人に威張ったり、一人で威張っている場合もあります。

 いずれにしても、勝ち負け、勝負が絡むと過敏に反応してしまうという点が、勝ち負けに敏感ということなのです。

 また、熱くなりやすく、表現が大きくなって、無意識に話を盛ってしまいがちです。また物の大きさ、量に敏感で、「大きい、多い」ということが良いことだと思っています。

 滝行や断食など、難行苦行を好む傾向があり、「強くなりたい」また「強い」ことに対するあこがれがあって、武道・格闘技に関心のある人も多くいます。「健康法」というと、「どういう自己鍛錬法がよいか」を連想します。例えば、「玄米を百回噛む」「スクワット1000回」などの難しいことを毎日やると決め、決まったことを無理してでも毎日続けようとするのです。

 

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オードリー・ヘップバーン  首と上肢の動きは上下的、でも下体は意外と逞しい?バレエで鍛えた影響もありますが、捻れ型があることが行動を業とする俳優という方向を向かせたのでしょう。複合体癖の例。