体癖各論-体癖論Ⅱ 9
五型十種の体癖
これからいよいよ、五型十種の体癖各論に入ります。
金井先生の『「気」の身心一元論』(2011年)には、第四章に体癖論が置かれ、体癖表としてそれぞれの体癖の特徴がまとめられています。
その後、先生の執筆はさらに増し、原稿が増え『上・中・下巻』の編成になりました。そして体癖論の章が大きくなると同時に、体癖表の内容も増えたのですが、まとめきれずに未完成原稿となっています。
体癖表は「○種はこのようである」という、やや静的な表現がどうしても多くなるのですが、実際にはその人の反応の仕方、運動の始点、要求、注意の向き方という動的な見方というか、動きの中で見るのが主体です。
そこで、私はそういう要素を加味しながら、体癖各論を再編し、実際の人物像を交えつつ、ブログ用体癖表を提示するという冒険的行動に出ることにしました(前後型的ですね)。
次回から、上下型1種・2種のお話に入ります。(金井)としてありますが、今回の内容も再編したものです。
(金井)
ここでは、五型十種を挙げます。
Ⅰ 上下型 一種・二種 (腰椎一番)
上下型は大脳的に感受し、毀誉褒貶に敏感で、大義名分で動く。要求が大脳運動(思考)に現われやすい上半身行動型。大脳運動に下半身の動きが遅れるのが特徴。考えるがなかなか行動にならない。または考えることが運動になる。
Ⅱ 左右型 三種・四種 (腰椎二番)
左右型は情緒的に感受し、感情に敏感で、好き嫌いで物事を判断し、行動する。要求が消化器や感情に現われやすく、左右偏り運動習性を持っている。感情的な滞りがあるとき、食欲が亢進するのが三種、食べられなくなるのが四種。
Ⅲ 前後型 五種・六種 (腰椎五番)
前後型は意志的に感受し、利害得失に敏感で、攻撃に巧みである。前後運動が特徴で、前屈みで緊張しているのは攻撃の形で五種、考えながら行動する。また合理的に考え、行動のための段取りをつける。後屈してたるんでいるのは降伏の形で六種、考え、熱弁をふるうが行動力はない。前屈みの度より、この時の緊張と弛緩が焦点となる。
Ⅳ 捻れ型 七種・八種 (腰椎三番)
捻れ型は防御的に感受し、勝ち負けに敏感で、それによって行動する。体を捻って使う下肢行動型。捻るのは弱いものを強く使う方法(例・自動車のトーションバー)。自分を守ろうとして勝ち負けにこだわり、それが闘志のごとく見える。行動してから考える。
Ⅴ 開閉型 九種・十種 (腰椎四番)
開閉型は種族保存的に感受し、大勢(皆)のために動くという種族保存的行動をいつの間にかとってしまう。主観が強く、本能的要求がすぐ行動になる。直感的に行動する。全身の緊張と弛緩、速度が速い・遅いことに特徴がある。
※( )内は腰椎における重心位置(運動の焦点になるところ)
五型十二種のうち「十一種・十二種」というのは、絶え間なく(過敏に)体が反応している(十一種)、または、(遅鈍で)全く反応しない(十二種)という、体の状態を示すものです。