2019-02-01から1ヶ月間の記事一覧
自我から自己への中心の移動 河合隼雄氏はユングの「自我から自己への中心の移動」について次のように述べています(『心理療法序説』)。 3 自我と自己 ……西洋の近代においては「自我」の確立が大きいテーマになった。・・・このような考えの背後には、人間が…
人間の中心が頭となって、重心が上がった近代 以前、金井先生は、野口先生から昭和四十年代に聞いたこととして「昔は「体の重心が定まらない」と言って指導を受けに来た人が大勢いたが、今はなく、体の状況を感覚する働きが鈍くなっている」という話をしてく…
コンプレックスとは何か・・・偏り疲労との関連 しばらく説明的な内容が多くなりますが、最初に野口整体における感情と体の見方について野口先生の講義内容を紹介します(『月刊全生』)。 ・・・(抑圧だけではなく)実際は一寸我慢した感情、或いは出しはぐれた…
追記 金井先生の著書を商業出版するチャンスは二度あったのですが、二度とも「引用の長さ」が問題になり、交渉はまとまりませんでした。このブログでも長い引用が増えてきています。 最初の出版社との交渉の際、私は引用を短くすること、要約して減らすこと…
潜在意識の世界を啓くために必要なこと 野口晴哉先生は「自分との対話」について、潜在意識教育法講座で次のように語っています(月刊全生)。 …私も子供の頃は弱い方で、よく病気をしました。しかし病気になるのは卑怯だ、仮病はやめようと思いました。病気…
自分で自分の研究をするユング心理学と野口整体、自分とは関係ない科学 金井先生は「思想とは、哲学の世界で『考えることによって得られた、体系的にまとまっている意識の内容』を言い、『その人の生き方、社会的行動などに一貫して流れている、基本的な物の…
ユング心理学とは ユング心理学は、スイスの精神医学者C・G・ユングの創始した心理学で、正式には「分析心理学」と言います(古くはコンプレックス心理学と言われた)。日本では故・河合隼雄氏(ユング派心理療法家)の著書によって一般に知られるようにな…
心につねに主あるべし 立川氏の著書の中にはないのですが、金井先生は『養生訓』(『養生訓・和俗童子訓』岩波書店 一九六一年)原文の「養生に志あらん人は、心につねに主あるべし」という一文を読んで、「これだ!」と言っていました。それは次のようなも…
気は心と体をつなぐもの 貝原益軒の『養生訓』には、「食べ合わせ」などの記述もありますが、立川氏は江戸時代の「気」を中心にした身体観、病症観、健康観を『養生訓』を通じて学ぶことができると説いています。 そして、この「気」の捉え方には日本人の心…
気による体力発揮と養生 今、「養生」というと、体の弱った人や老人が栄養や睡眠を十分にとったりすることを思う人が多いかもしれません。しかし、江戸時代における「養生」とは命、生きる力を養うことであり、それは病気にならないようにするためだけの健康…
立川昭二氏(医療史家)の説く日本人の「気」と野口整体の「気」の共通性
金井蒼天(省蒼)先生の個人指導における観察と気による心理療法
「この体は骨盤が頭だ」2 個人指導を受ける 指導の順番が来て、問題の彼の話から始まった。そして、立姿での観察に入り、私はこのところの自分の状態を話した。話しながら涙が止まらなかった。悲しいというより、何かが溶けていくような感じだった。 広い和…
私の指導体験 私がずっと以前に個人指導を受けた時に書いた体験談を二回に分けて紹介したいと思います。この拙文を通じ、金井先生の個人指導の実際を感じて頂けたら幸いです。 人によって、また時と場合によって指導内容には多様性があり、質、時間共に大き…
野口整体 金井流個人指導の特長と今後予定する内容
西洋医学では自然治癒力を高めることは治療の枠組みの中に入っていないが、野口整体はそこに中心がある。
西洋医学の見方の基礎には近代科学がある。そして近代科学は物理学の研究手法を基礎としている。その端的が物心二元論である。
西洋医学と心身二元論ー西洋医学の見方の元には科学的な見方がある
野口整体で観る身体は、死んだ体を解剖して得た知見を基にしている解剖生理学的身体とは違う。
野口晴哉師が活動初期から最期まで変わらなかった思想について
野口整体の始まりと近代化 前回、私は 「金井先生は、野口先生が何に対して抵抗し、何を守ろうとしたのかを、次の世代に伝えなければという思いがあったのだと思います。」 と述べました。西洋医学と野口整体の対比というのは、抵抗を感じる人も意外と多いの…