野口整体 金井蒼天(省蒼)の潜在意識教育と思想

金井省蒼(蒼天)の遺稿から説く「野口整体とは」

2019-10-01から1ヶ月間の記事一覧

第一章 野口整体の身心の観方と「からだ言葉」一

「気」を集めて身体を観ることで分かる心― 体に潜在意識を観る 今回から、第一章に入ります。これは、整体指導者が「何を観察するか」についての章です。この内容は整体の人間観、身体観の本質にせまるもので、野口整体の著書で観察について詳細に述べる内容…

野口晴哉生誕百年―臨床心理による整体指導 序章 三2

西洋医学の身体観が人間に与えた影響 ①死体解剖学に始まる西洋近代医学 近代科学発達以後、心身二元的・機械論的生命観が確立され、近代医学においては、患者の身体は客観的に検査され、治療される対象となりました。 一方、生きている人間の身体は、人とい…

野口晴哉生誕百年―臨床心理による整体指導 序章 三2

「生活している人間」を、手と目で観る野口整体 中村雄二郎氏は、科学の発展に伴う視覚の特化がもたらす「切断(分離)」(註)と、全体性を捉え「結びつける」はたらきを持つ触覚について述べています。この内容は、すでに上巻で紹介しましたが再考してみま…

野口晴哉生誕百年―臨床心理による整体指導 序章 三1

人を「モノ」として見る機械論的人間観と現代医療 今回から序章の括りに入ります。登場する助産師は、上村医師と同様、金井先生の個人指導を受け、準塾生として勉強している人でした。 上村医師の話していた冗談で、総合病院では脳外科医、心臓外科医は花形…

野口晴哉生誕百年―臨床心理による整体指導 序章 二9

野口整体・金井流について 金井 それで、野口整体といっても「金井流」かもしれませんが、どんな感じなんでしょうか? 上村 実際に金井先生の整体指導を受けてみて、一番感じるのは、体と心の感覚の芽生えが加速される感覚です。自分だけだと三、四ヶ月かか…

野口晴哉生誕百年―臨床心理による整体指導 序章 二8

「気の動き」と自分らしさ― 近代科学にはない「気」 金井「気で観る」、「気で気を観る」、と言うんですね。 本当に「気」が亢まった時は、触れなくても観えるんです。 指導時に「これで、うつ伏せになってごらん」と言うと、フッと眠くなるという場合があり…

野口晴哉生誕百年―臨床心理による整体指導 序章 二7

今回は、西洋医学の話から、野口整体金井流の個人指導の話に移ります。 個人指導と活元運動について―「静中動」ということ 金井 私の個人指導は、いつしか活元運動が併用されるようになりました。何年か前の指導においては、一部の人しかこういう形がなかっ…

野口晴哉生誕百年―臨床心理による整体指導 序章 二6

顔を見る・見ないという違い…「切り離す」西洋医学 金井 心身二元論による「客観的身体」というのは、「肉の塊」として観ているのですね。 上村 そうですね、手術とか本当にそうなんです。 お腹の手術をする場合、「術野」と言うんですが、外科医からはお腹…

野口晴哉生誕百年―臨床心理による整体指導 序章 一5

解剖学を基礎とすることで生じる「思い込み」― 生きたまま観察することで分かること 金井 私が若い時に、お産をしたことのある女医さんが「出産直後に仙骨が「ぼきん」と音がしたので、動くかもしれない、と思った」と、テレビで言っているのを見たことがあ…

野口晴哉生誕百年―臨床心理による整体指導 序章 二4

西洋医学の機械論的生命観― 科学的方法には「自分が入っていない」 二人の対話は、近代科学のパラダイムである、心身二元論と機械論的生命観を、実際に人間に対して応用するとはどういうことか…という話に入ります。 金井 現在、医学が、特に科学的・機械的…