体癖論Ⅰ
「上虚下実」の身体と自我から自己への中心の移動 金井先生の生前、食事の時などに、先生と藤沢周平ものの時代劇の映画を見ることがありました。藤沢周平の世界観というのは独特で、私は物語の中で描かれる、個と全体の関係性、そして人間世界の葛藤や争いと…
個性化の過程と体癖の活用 野口晴哉先生は、「一人一人の人間の生き方が体の要求に沿っていくことが自然な生き方だ」と言いました。自己実現の力は、そのように生きることで、無意識から汲みだされてくるものだと思います。 しかし、成長し生きていく過程で…
科学的社会で失われた個性と創造性 今回は、「個性とは何か」が主題です。「体癖」というのは体(無意識)の側にある個性で、生まれつきのものです。木でいえば松や杉、欅などいろんな種があるようなもので、それぞれに性質の違い、個性があります。それはど…
腰椎と体癖の関係 今回は体運動の中枢である腰椎と体癖の関係についての内容です。 先に「体癖は体運動以前にある」という野口先生の文章を紹介し、要求という数値化して測定できないものが中心にあると述べました。 野口整体には、「要求そのものが生命であ…
体癖 開閉型 9種
「自分の感覚によって、その感覚を眺めている世界」とは 今回紹介する文章は、2006年に月刊MOKUという雑誌に連載した記事が元になっています。本の原稿にはイラストがあって、体形の特徴と得意な動作、苦手な動作が良く分かるようになっています。 イラ…
補足として、野口先生の要求と体癖についての文章を紹介します。 要求の現れ方は体癖によって異なる 今迄、体癖とは体運動の無意的偏り習性であると説いておりましたがそれは説明の便宜の為であって偏り運動習性そのものが体癖ではない。…体癖とは何かという…
注意が集まる方向に感覚が働く 今回は、感覚の働き方と体癖についての内容です。 感覚の奥には「要求(心)」があり、それに沿った方向に感受性が敏感に働くため、人によって感じることに相違があります。 要求が体を動かし、感覚器を働かせているのです。そ…
人間における個の探求 これを読んでいる人の中には、「自分が何種なのか知りたい!」と思う人もいるかと思います。早く「○種はこういう人」というのを知りたいとか。たしかに体癖は一見、人間のタイプ分けに見えますね。しかし体癖を学ぶ場合、まず「体癖と…
科学にはない自己を知る智―主体と対象が未分離な「禅の智」 今日からいよいよ体癖論が始まります。これは下巻の第九章に収録されている、かなり分量のある内容です。 近年、野口晴哉著『体癖』(筑摩書房)が文庫化され、精神科医の名越康文氏が体癖について…