野口整体 金井蒼天(省蒼)の潜在意識教育と思想

金井省蒼(蒼天)の遺稿から説く「野口整体とは」

開閉型9種・10種②-体癖論Ⅱ 19

開閉型9種・10種それぞれの特徴

 今回は9種・10種それぞれの特徴です。

 金井先生から聞いた開閉型というと、宮本信子さん(俳優・9種)、蓮舫さん(政治家・9種)、藤原紀香さん(タレント・10種)が思い出されます(全員、他の体癖と複合している)。体系は前後型的に見えるイチロー氏(野球選手)にも9種があると言いました。

 そのしばらく後、偶然インターネットでイチロー氏がロッカールームで正坐をしている写真を見る機会があったのですが、腿が長いのが目立ちました。そして下体が床にピタっとくっついているかのように安定しているのです。

 金井先生に画面を見せ「やっぱり9種ですね!」と私が言うと、先生は「ほれ見ろ!」とばかりに笑っていたのが懐かしい。

 それでは各論に入ります。

 

開閉型9種

 上体がやや前傾していて、腰が反ってお尻が出ている(生理的湾曲度合いが強い)。服を着ていると痩せて小さく見えるが、裸になると弾力的でメリハリのあるしっかりした体であることが多い。目に特徴があって、じぃーっと対象を見る。その時の注意の集まり方が独特で、穴が開きそうなぐらいに集中する。

 身体に密度があり、飽きずに繰り返すことができる持続力が特徴。野性的で「直感力」に優れ、勘で動く。気に敏感で質にこだわる。一つことに自分の気を集中させ一人でいることに強い。血縁関係よりも感覚や価値観が似た人といることを好み、違うと肉親でも寄せ付けないことがある。

 3種体癖が自分の身内、血縁者をやみくもに良しとするのと対照的。また3種は感情的で「好き嫌い」による主観が強く、食べることなど自己保存的な勘がはたらく。9種も主観が強いが直感的で、または全体的な(つまり種族保存的な)方向性や流れを掴む。「唯我独尊」的で9種が自分の感じたことを信じられない時は、不整体になっている。気、命、生死に関わることに敏感で、宗教的なことに関心が強い。

 骨盤が閉じる力が働きやすいため、感情も興味・関心も持続し、時間の観念がなく、何十年前の恨み、憎しみを昨日のことのように憶えている。頭の働きが緻密で細かく、口うるさい。人が内心隠そうと思っていることをスパッと言いあててしまう。何にでも命懸けで臨み、「全か無か」という勢いがある。本能的で「今、ここ」に生きることに快感がある。

 今、この場で起きていること(言葉や行動)が次にどうなるかをさっと考え、その話をするので、言葉や行動しか分からない人は何を言っているのか分からない時がある。

「なぜそうなのか」に関心が強く、連想も早くて空想が空想をよぶ。そのため「なぜ」が分からないとあれこれ類推してしまうことがあり、不安や怒りなどの深い情動が潜在していると、邪推や不信につながる。

 食事の時は食べることに集注し、話もあまりせずに一定の速度を持って食べる。一つの器に入っているものを全部食べてから次に移る。

 9種の女性は色が白く。ぎゅっと縮んでいて外見的に判断しやすいが、男性は多様な体型をしていることが多い。しかし内的な動きが起こった瞬間、9種的な特性がサッと出る。

 

開閉型10種

 後ろから見ると大きなお尻だが、横から見ると腰の生理的湾曲が少ない。骨盤が拡がりやすい。開型は太っていても手首・足首は細く、締まっている。(他の体癖は、骨盤の可動性が悪くなって拡がったり下がったりすると、足首が太くなる。手首・足首は開閉型を観る焦点)。転びやすい。

 骨盤が開く力が働きやすく、疲れたり、意欲がなくなると骨盤がふっと弛んでしまうため、緊張が持続しない。そのため、物事を受け入れやすいがすぐ忘れてしまう。

 寛大で偏愛することはないが、猫も子ども夫も、他人も区別がない。夫も自分の子どものように扱う。そのため10種女性は「母性的だが家庭的ではない」というのが特徴である。これは本来、家庭というのは夫や子どもなどの特定の相手との特別な関係という「閉じた」ものだが、10種にはその感覚がないということ。

 愛情を広い範囲にそそぐので分かりにくいが、10種が周囲の人の面倒を見るのは、自分に注意が集めたいという要求によるもので、人の輪の中心にいるのを好む。そのため開型は他者のために働くことによって元気になり、自分の保身を考えると却って元気がなくなる。

 こういう点に偶数種体癖の集注要求特性があり、10種の愛情や寛大さは体癖によるもの。時に抱え込みすぎてあれもこれもと手を出しすぎてしまったり、病人の世話などをすると、相手の自発性を奪ってしまうことがある。

 深刻に苦情を言ったり、いかにも心配そうに、恐ろしげに長々と話をしたとしても、言った後、そのことを忘れてしまう。自分でこれは大事だと言ったことでも忘れてしまい、くだらないことは覚えている。

 その時は全身全霊で心配したり、喜んだり、憎んだり、と一心にやるのだが、後で聞いてみると本人はさほどのこととは思っていない。だから、10種の訴えていること、言っていることを、そのままそれが本当だと飲み込むと、後で拍子抜けになる。上下型の人は注意が必要。

 あいさつが長く、話をすると本題に入るまでが非常に長く、長時間しゃべっているが、長いと感じていない。そのため電話が非常に長い。二種も長いが、これはとまどってばかりで結論が出ないことによる。