(補)体癖は体運動以前にある(『月刊全生』)
補足として、野口先生の要求と体癖についての文章を紹介します。
要求の現れ方は体癖によって異なる
今迄、体癖とは体運動の無意的偏り習性であると説いておりましたがそれは説明の便宜の為であって偏り運動習性そのものが体癖ではない。
…体癖とは何かというと、そういう体運動以前にある人間の要求、その要求の現われる方向に偏りがあるということである。例えば食欲でも性欲でも、誰にでもある要求であるが、それが現われる方向にその人特有の偏りがあるということである。
…要求のもとは何かというと、生きようとすることである。赤ん坊が出来上がるのでもそういう要求が起こって来て体になって来ている。生まれてからでもそういう要求で物を食べ、大便にし、血にしている。
要求というのは人間の生命であり、その生命の方向に個人個人の癖がある。そう考えるべきでありまして、そういう限り、体癖というのは要求の方向にあると、…ともかく要求の方向として体癖を見ることが本格的なのであります。