野口整体 金井蒼天(省蒼)の潜在意識教育と思想

金井省蒼(蒼天)の遺稿から説く「野口整体とは」

野口晴哉生誕百年―臨床心理による整体指導 序章 二7

 今回は、西洋医学の話から、野口整体金井流の個人指導の話に移ります。

個人指導と活元運動について―「静中動」ということ 

金井 私の個人指導は、いつしか活元運動が併用されるようになりました。何年か前の指導においては、一部の人しかこういう形がなかったんですが、今ではほとんどの人が活元運動をするようになっています。

今日の指導で、あなたは、動きがやや活発に出るようになっていました。最近では、個人指導を続けて数回以上やっている人では、多くの場合にああいった動きが出るようになっているんです。今日は最後の方に、どんな言葉をやりとりしましたか?

上村 「自動的に動いている…」。

金井 私の言う「動く」ということがあると、どういう感じなのでしょうか?

上村 自分の感覚なんですけど、ある部分の動きが、自然に次の動きにつながって、どんどん、どんどん動いていく、そういった感覚…。

金井 それで、つながって動いて一定のところまでいった後はどういう感覚になりましょうか?

上村 軽いというか、音がしましたね。「ぱきっ」とか、「みしっ」とか。中で「ぱちぱち」という音がすることもあります。

金井 一通り良く動いた時は、背骨の観察をすると、「あっ、これならいい!」と観える状態になって終われるんです。

うつ伏せで観ていますから、その人の体は静止していますが、この時、動きを感じることができます。

それは、「その人らしい」ということです。

 体のどこかが悪いと感じている時は、そこは過敏なのかも知れませんけど、「全体としては止まっている」とか「動いていない」と、そういう感じなんです。

上村 静止していても「中に動きがある」ということなんですね。

金井 そう!そういうことです。「静中動あり」という言葉があるんですけど、「静中動」という状態が観えると、これで良いって感じです。

上村 観えるものですか?触った感じで感じ取ってるんですか?

金井 背骨だけ観ているわけでなく、全体を観て感じ取っている、ということがあります。お腹を観ている時でも…。

それで、「動きがある」というのと、「動きが止まっている」というのは全く違います。

上村 それは「気で感じ取っている」ということですか?

金井 そうですね!