野口整体 金井蒼天(省蒼)の潜在意識教育と思想

金井省蒼(蒼天)の遺稿から説く「野口整体とは」

第二部 第三章 野口整体と出会い活元指導の会に参加する― 真田興仁(仮名)の体験談 前編

 今回から、第二章 活元運動 を飛ばして第三章に入ります。

 理由は、第二章の内容が上巻の後に掲載していく予定の「禅文化としての野口整体Ⅰ」の内容と重複しているためで、後に紹介していくことにしました。『禅文化としての野口整体Ⅰ』には、金井先生がQ&A形式で活元運動の疑問に答える内容もありますので、お楽しみに。

 そして、今回から始まる第三章は、前著『「気」の身心一元論』にも収録された真田興仁氏(仮名)による個人指導体験をまとめた手記が中心になっています。

 この手記をまとめる時、真田興仁氏と金井先生は打ち合わせと原稿の読み合わせと体験内容の聞き取りを何度も行い、加筆と推敲を重ねていきました。私もいつも先生の隣で話を聞き、質問などもさせて頂きました。

 そして『野口整体と科学』では、真田さんの社会的立場の変化にともない、個人の特定が推測可能な文章内容の変更がありましたが、金井先生の内容が増え二章編成となっています。

 本ブログでは、真田興仁氏の書いた手記をブログにそのまま掲載するのは遠慮し、私が手記を基にまとめた内容に替えさせて頂きます。なお、金井先生の文章と引用文はそのまま掲載します。思い悩んだ結果の選択で、真田さんの手記には遠く及ばない上、読みづらい点もあるかと思いますがご容赦下さい。

 今回は章の冒頭にある金井先生の文章を紹介します。

(金井)

 ここで取り上げる真田興仁氏は、科学的思考が発達しスポーツも得意とした人です。それは、現代的であり、かつて西洋哲学に専門的に取り組んだことで、その取り組みが合理的な能力を発達させていました。

 この章では、そんな彼が『整体入門』を通じて野口整体を知り、活元運動に初めて取り組んだ様子が表されています(活元指導の会に参加するまでの記録が、第三章・前編の内容。個人指導を受けるようになってからの内容が第四章・後編)。

 この体験談前編を通じて、東洋的身心観に基づく活元運動と、近代的心身観に基づくスポーツとの大きな相違について述べていきます。

 第三章と第四章は、真田氏が整体指導を始めてからの数年間について、私と指導内容を振り返りながら、塾生(編集担当)が聞き手となって収録し、その録音を起こすという作業を幾度も繰り返し、推敲したものです。それゆえ真田氏の体験談には、指導時と同様、私との協働性が表れています。