野口整体 金井蒼天(省蒼)の潜在意識教育と思想

金井省蒼(蒼天)の遺稿から説く「野口整体とは」

金井先生とのご縁

 私は金井先生に2005年に準塾生として、2006年から塾生として入門し、

  • 体は心であり、心は体である。身心一如。
  • 心が変われば、体も変わる。体が変われば、心も変わる。

という金井流個人指導を学んできました(後にこの言葉の元となった内容を紹介します)。

 そして、2006年に出版社から二冊目出版の企画を持ち込まれたのを機会に、金井先生の原稿執筆のため傍につくようになり、2006年秋には熱海に住み、毎日朝夕、道場に通うようになったのです。

HPの金井先生プロフィールには、

2007年(平成19年)1月から始まった『月刊MOKU』の連載を経て、2008年(平成20年)4月初めから、井深大ソニー創業者、幼児教育)、湯浅泰雄(哲学)、石川光男(高分子物理学)、河合隼雄ユング心理学)、立川昭二歴史学)、C・G・ユング(分析心理学)、中村雄二郎(哲学)、鈴木大拙(禅研究者)らの思想を猛勉強。「ユング心理学」と「禅」の思想を援用しての「野口整体 金井ワールド」の新展開へと向かう。

とありますが、2007年『月刊MOKU』連載から始まり、その後の勉強も先生とともに、同時進行でやってきました。

 そして、塾でもこうした内容について講義するようになり、『「気」の身心一元論』出版となったのです。

 しかし当初、野口整体を学ぶにあたり、野口先生が述べたわけでもなく、直接野口整体について述べているわけでもない、こうした内容を学ぶことには、抵抗を持つ人も多かったのです。

 「体で行う野口整体なのに、どうして頭を使って難しい文章を読む勉強をするのか」など、頭を使う勉強というと、受験勉強のように何かを「覚える(記憶中心)」ことに結び付くことで、中高生時代とつながって拒否反応をしてしまう人もいました。

 亡くなるひと月ほど前、私は木曜夜の編集会議(編集委員は他に二人いる)で、金井先生に「お前はどうしてこういう勉強に抵抗を感じなかったのか」と問われました。その時私は考え考え、「多分、私が現代の科学的社会で成功体験がないからだと思います。」と答え、そして「野口整体を学ぶといっても、どう勉強していけばこれが本当に自分のものになるのか分からなかったから、その道筋をまず知りたいと思い、科学的な見方が野口整体を学ぶ上で障害になることがわかったから」と答えました。 

 でも、あまりいい答えじゃなかったな・・・と、今はこう答えたことを後悔しています。

 今、先生に答えるとしたら、私が野口整体を学ぶことと、こうした勉強をすることにあまり矛盾を感じずに来られたのは、いつも金井先生の傍にいて、本を音読しながら、先生の心が文章に共鳴するのを感じ続けることができたことに加え、「潜在意識教育」というものが私の関心の中心にあったからだと思います、と答えたい!と思います。